皆さんの中に「最近もの忘れが激しくなった」とか「名前がなかなか思い出せなくて」と感じる方は居ませんか。かく言う私も同様で、思い当たる方も多いのではと思います。多くは年齢と共に起こってくる現象なので、一応病気ではないとされています。でも中には「私なんか三歩あるくと、すぐ忘れる」とか「(今話していても)違った会話をすると、即座に忘れる」などと周囲から聞かされると、「これも困るよなあ」と考えてしまいます。

●集中力の低下と関係が…
 このような認知機能の低下はどうも「集中力の低下」と関係しているようです。若い時は自然と集中力があったものが、年齢と共に低下して所謂「うわの空」になってしまうのです。これは空気がいっぱい入った自転車チューブが、時間と共に自然と抜けてフニャフニャになるように、人間も歳と共に見ているようで見てない。聞いているようで聞いてない「うわの空」の状態が起こります。

 「うわの空」になりやすい生活状況とは、次のような状況だそうです。
 ①関心の薄い事をやるとき
 ②急いでいるとき
 ③大して意味のない事をするとき
 ④手慣れた事をするとき

確かに思い当たる事はありますよね。

 ただこのような事も、若い時分は自然に心が集中するので、たとえ無意識に見聞きしても「うわの空」にはなっていません。従って物忘れもありませんし、思い出しも容易にできます。
 「うわの空」というのは心にイメージが刻印されない状態といえます。チラッと広告を見ても、若い時は「しっかり見ている」のです。そこで広告文字が心に刻印される訳です。しかし年齢が上がるとしっかり刻印されません。刻印されないので「ええと、何だっけ」となる訳です。

●うわの空を防止するには…
 ではこのような年齢から来る「うわの空」を防止する方法はないのでしょうか。結論から言うと、先の4つの状況で気を抜かないで「意識して行う」ことだと言います。これを日常心がけるだけで、年齢から来る認知機能をかなり防止できると言います。

 「まだまだ先の話だから…」と思っている方も多いと思いますが、ただ将来の認知機能低下を考えると「集中力」の維持・管理は、将来の健康力の維持にもつながると思います。

物忘れ