●地方在住でも指圧のスキルアップはできる
 指圧には関心があるんだけど、周りに教えてくれる人が居ない…。そんな悩みを抱えている人は案外多いですね。とくに都市部から離れた地域や海外に在住されている方は、教室や情報も極端に少ないですから学習の機会すらありません。しかしご安心下さい。ちょっとした工夫で指圧の腕を上げる事が可能です。

●練習相手がいないハンディの克服法
 指圧は相手あっての技術ですから、相手がいないと「練習」にならないと思い勝ちです。しかし相手など居なくても、上手になる術はあるのです。指圧は極論すれば「気持ち良くする技術」です。つまり指圧をして、相手が「ああ、気持ちいい」と感じてくれれば良いのです。そのためには、まず自分を指圧してみる事です。まず自分の体に指圧をしてみて、自分が「気持ちいいなあ」と感じられる圧し方をアレコレ行ってみるのです。そして気持ちいいと感じた圧し方を、次に相手に行って反応を読んでみるのです。相手も人間です。自分が気持ちよければ、相手も気持ちいいと感じるはずです。

●まずツボは無視。手指の届く範囲で試す
 何処を圧せば良し悪しが判るのか悩むところですが、最初はツボとか指圧点などは無視して大丈夫です。それは「気持ちいい」はタッチの問題なので、ツボとかはあまり関係がないからです。自分のからだで圧しやすい所で試します。具体的には腕や太もも、首あたりでしょう。つまり手の届くところで試すのです。

●相手の身になる前に、まずこれを…
 どう指圧すれば良いのか。これが一番のポイントですね。押すという行為は非常に単純な動作で、この中に技術があるのか初心者には分からないです。そこで例えば首を圧してみましょう。喉が縦に伸びている「縁」に脈がドクドク感じられる部位がありますね。そこは「頸動脈」です。試しにそこを親指で圧してみて下さい。どうですか。おっかなビックリゆっくり押したでしょう。それは「頸動脈だし、強く押せば目まいや気分が悪くなったり…」そんな不安がよぎったからでしょう。「安全に、安全に…」と、注意深くソ~と押したに違いありません。それを1~2回試して「こんな要領だな…」と、その要領を掴んで下さい。その要領で相手の首を圧してみれば良いのです。

●押圧はタッチと速度がポイント
 指圧はどのくらいの強さで、どんな感じで圧せばいいのか…。それが悩みのタネですね。それも自分のからだ押しで解決できます。ポイントは触れた時のタッチと押圧のスピードです。試しに太ももを親指で圧してみましょう。まずグイッと押した時とジワ~と圧した時とを比べてみます。どちらがホッとするでしょうか。またストレートにギュ~と一直線に指圧するのと、最初チョット弱めに圧して、徐々に尻上がりに力を入れるのでは、どちらが気持ち良いのか。つまりタッチを変えると、どう気持ちよいかを試します。正解はどちらも気持ち良い。しかし微妙に違うものです。それは実際に相手に試すと判ります。

●結論として、良い指圧とは…
 これだけの押圧操作ですが、これをまず自分のからだで試す事で様々な事が分かります。「自分が気持ちよければ、相手も気持ちよい」。当たり前の事ですが、案外独りよがりの押圧をしている人を見かけます。最後に良い押圧というのは「ジワ~と奥まで染み通るような感じのする圧」のこと。これを実現するにはどう圧せば良いのか、まず自分のからだで試してみて下さい。