カテゴリ: 健康法

 ここに来てやっとワクチン接種が本格化してきました。皆さんの中にも既に接種券が送られて来た方も居るかも知れませんね。政府もワクチン接種がコロナ禍の切り札と思っているようで、ワクチンを「打って打って、打ちまくれ」の意気込みのようです。ただウィルスの方も、変異をしながらより強力なウィルスへと変化しているようで気が抜けません。現在のワクチンに効果がなければ、それ用のワクチンを開発して更に接種するのだそうです。そうなるともうイタチごっこですね。

●免疫のカナメは小腸と神経…
 さて免疫には生まれた時からある「自然免疫」があります。免疫細胞と呼ばれるようですが、これが外敵からまず身を守ります。この免疫細胞は小腸で造られるので、小腸は免疫機能の70%を担っていると言われます。そしてあとの30%は自律神経の働きが影響します。となると小腸に良い食べ物を摂る事が、免疫力アップには大切なのではと思いますよね。しかしよく考えてみましょう。

●まず神経系統を整えるのが先
 確かに良い食べ物を食べて、免疫細胞をたくさん作るのが良しとしても、それは小腸が健全に動いていればの話です。自動車に例えれば、健全なエンジンを搭載しても、それを制御する電気系統がキチンと作動していなければ、いかに高品質の燃料を供給しても十分に働いてはくれません。それと同じで小腸がキチンと働くためには、その神経系統の生活機能がキチンと働いていないとダメだと言う事になります。
 神経系統は自律神経の事です。ですから「自律神経が30%」ではなくて、ほぼ100%免疫には自律神経が関与していると考えて良さそうです。

●「明るく、朗らか」に過ごす…
 ではどうすれば自律神経を健全な状態に保てるか…です。結論からいうと「明るく、朗らか、あっけらかん」と過ごすと良いのです。「何だ。バカにしてる」と思ったかも知れませんが、これは事実です。逆に考えると解ります。私たちがコロナ禍で感じる「イライラ、不安、悲しみ」などの感情は副交感神経の働きを低下させてしまうのです。すると小腸の働きが抑えられ、同時に免疫細胞の働きも低下してしまうとの事です。つまり戦闘力が低下します。

●【明るく、朗らか…」は自律神経を整える…
 この自律神経(この場合は副交感神経)はものの声に応ずるように変化します。マイナスの感情を持てば、すぐさま働きが混乱し低下してしまいます。皆さんの中で、このコロナ禍で何となく体調が悪い、変だと感じている人は居ませんか。居るとすれば自律神経、つまり副交感神経の働きが鈍っているからかも知れません。この予防対策が「明るく、朗らか、あっけらかん」なのです。つまり食べる前に気持ちを明るくすると言うわけです。フリでも良いのです。「ああ、楽し」と言って食べるのと、「いやだな」と言って食べるのとでは免疫力は違ってくると言うわけですね。

 まあダマされたと思ってやってみて下さい。


勘ちゃん
 

 皆さんの中に「最近もの忘れが激しくなった」とか「名前がなかなか思い出せなくて」と感じる方は居ませんか。かく言う私も同様で、思い当たる方も多いのではと思います。多くは年齢と共に起こってくる現象なので、一応病気ではないとされています。でも中には「私なんか三歩あるくと、すぐ忘れる」とか「(今話していても)違った会話をすると、即座に忘れる」などと周囲から聞かされると、「これも困るよなあ」と考えてしまいます。

●集中力の低下と関係が…
 このような認知機能の低下はどうも「集中力の低下」と関係しているようです。若い時は自然と集中力があったものが、年齢と共に低下して所謂「うわの空」になってしまうのです。これは空気がいっぱい入った自転車チューブが、時間と共に自然と抜けてフニャフニャになるように、人間も歳と共に見ているようで見てない。聞いているようで聞いてない「うわの空」の状態が起こります。

 「うわの空」になりやすい生活状況とは、次のような状況だそうです。
 ①関心の薄い事をやるとき
 ②急いでいるとき
 ③大して意味のない事をするとき
 ④手慣れた事をするとき

確かに思い当たる事はありますよね。

 ただこのような事も、若い時分は自然に心が集中するので、たとえ無意識に見聞きしても「うわの空」にはなっていません。従って物忘れもありませんし、思い出しも容易にできます。
 「うわの空」というのは心にイメージが刻印されない状態といえます。チラッと広告を見ても、若い時は「しっかり見ている」のです。そこで広告文字が心に刻印される訳です。しかし年齢が上がるとしっかり刻印されません。刻印されないので「ええと、何だっけ」となる訳です。

●うわの空を防止するには…
 ではこのような年齢から来る「うわの空」を防止する方法はないのでしょうか。結論から言うと、先の4つの状況で気を抜かないで「意識して行う」ことだと言います。これを日常心がけるだけで、年齢から来る認知機能をかなり防止できると言います。

 「まだまだ先の話だから…」と思っている方も多いと思いますが、ただ将来の認知機能低下を考えると「集中力」の維持・管理は、将来の健康力の維持にもつながると思います。

物忘れ

★年頭のご挨拶
 新年明けましておめでとうございます。昨年は一年を通してコロナウィルスに翻弄された一年でした。中国・武漢で発生したコロナウィルスは瞬く間に世界中に蔓延し、まさかこのような事態になるとは誰も予想はしなかったでしょう。科学技術が高度に発達し、今や遠い宇宙の果てから星の「砂」を持ち帰る程の技術力を持つ現代社会が、電子顕微鏡でしか見えない極微の「ウィルス」に手も足もでないと言うのは滑稽を通り越した笑えない現実です。
 政府も「新しい生活様式」や「ウィズ・コロナ」を国民にアピールしていますが、人間そう簡単に生活スタイルを変えられるものでもなく、今もストレスの多い日常です。コロナウィルスは大半が軽症で回復すると言いますが、中には重症化したり、軽症でも後遺症が残ったりするそうです。一体その違いはどこから来るのか。私たちも考えなくてはならない問題です。ともあれ、今年も厳しい幕開けになりそうです。


★コロナ回復後の体調不良と私の体験…
 コロナから回復し陰性になっても体調が元に戻らないケースがあるそうです。多くは倦怠感や息切れ、頭痛などのようですが、これが数が月続くというものです。なぜこのような「治り切らない」ことが起こるのか原因は解っていないようです。
 実は私にも似たような経験が学生時代にあります。それまで健康そのものだった私は、ちょっとしたアルバイトで体を壊し体重激減。治った後も「微熱」「倦怠感」「食思不振(空腹感がない)」「便秘」などが治まらず、その症状に一年近く悩まされた事があります。医者にも何度か掛かりましたが原因不明でした。このような時は医学的検査では「問題ない」のですから、健康人扱いなんですね。ですからやりようがないのです。只々毎日を過ごすだけです。いつか治る事を信じて…。
 結局良くなるまで一年近く掛かったのですが、それまで様々な事をやりました。しかし今思うと当時は外見は確かに体格もよく健康でしたけれど、内部は不健康状態だったんだなと思います。ですから一旦大きく体調を崩す事があると、内部の弱い所が露呈して「治り切らない」状態が続いてしまうんです。

 今のコロナ後遺症がそれと同じかどうか判りませんが、共通する所もあるのではと思っています。そしてその時感じた事は「体力がないとダメなんだ」と言うこと。この体力とは筋肉や持久力などのフィジカルな体力ではなく、内部の健康体力の事です。これは目に見えない根っこになる力です。これが弱いと人間は事あるたびに病気や病に振り回されて、不安やイライラ、不快感を抱えて毎日を過ごす事になるんだろうな…という事でした。

★免疫アップに貢献できる…?
 コロナウィルスの第三波が日本全土を襲っています。その規模も大きく、東京では連日500人以上の感染者が出ています。開発中のワクチンもやっと承認段階に来たようですが、一般市民に薬が回って来るまで更に一年くらい掛ると言われています。まだまだコロナウィルスとの戦いは続くようです。しかしただ手をこまねいて見ていても不安なだけです。
 ここで私たち指圧師も何か社会に協力できないか考えてみました。結論から言って、指圧は免疫力アップに十分貢献できると考えています。

★免疫システムとは…
 免疫には生まれながらに持っている「自然免疫」と、ワクチンによって獲得される「獲得免疫」の2種類がある事はよく知られた事です。コロナウィルスに感染しても無症状なのは自然免疫が強いためですが、指圧で強化できるのはこの「自然免疫」の方です。自然免疫では「免疫細胞」を産生する「腸」と、「免疫細胞」を産生・活動させる「自律神経」の働きがポイントです。
 免疫細胞の8割が腸で作られ、それゆえ植物繊維や納豆やヨーグルトのような発酵食品を摂れと勧められます。しかしそれらが有効に働くためには健康な腸の働きが必要です。
 そして免疫が「自律神経」と深いかかわりがある理由は、体内でウィルスを殲滅する「免疫細胞」の主役がリンパ球であり、そのリンパ球の産生や働きが「副交感神経」の働きに依存しているからです。更にもう一歩言えば、腸の働きさえも「副交感神経」に支配されていますから、結局ターゲットは「副交感神経」を整えれば、免疫力アップに寄与できる事になります。

★指圧における免疫アップのポイントは…
まとめると自然免疫強化のポイントは
 ①腸を健全にすること(働きを維持する)。
 ②副交感神経の働きを強くすること(弱めない)。

この二点に絞られます。これを指圧で強化できれば、免疫力の維持強化に寄与できる事になります。
 具体的には、①については「経絡」を整える事で、また②については指圧の「全身指圧」の技術で十分対処できると思います。施術としては排泄・消化吸収の大腸経、小腸経、さらに調節機能を司る腎・膀胱経の指圧を全身指圧に組み入れて、時間をかけてゆったりと行えば、概ね①と②の目的は達成できると思います。

皆さんもまず家族とか、身近な人間から試みてみては如何でしょうか。

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先日久しぶりに増永先生の著書で、通称赤本と称される「指圧」を何気なく読んでいたら、『昔の養生法は精神修養と一つになって考えられていた…』との記述を発見しました。そして記述は『戦後は欧米人なみの体格になりましたが、体力・健康面では欠陥だらけ…』と続き、更に『その反省として根性だ、禅だなどと精神面の手探りが始まりました』とありました。

●メンタルと精神修養
確かに『文明が進むとストレスが強くなって、ノイローゼや心因性の疾患が増える…』との記述を読むまでもなく、現代の病気やトラブルはストレスが大きく関わっている事は今は常識です。しかし心因性なら「精神療法」があるではないかと言っても、そのベースは西洋医学的な精神分析学ですから、その人間を丸ごと理解するには味気ない気もします。先生も『人間の精神の事を忘れた医学が、現代病のノイローゼや老人問題などに積極的な手段を持たない…』と皮肉っています。そこで日本古来の精神修養の必要性を説いているわけです。「精神修養」などと言えば懐古趣味の古臭い道徳観の押しつけのように聞こえますが、言い換えれば心のトレーニングの事でしょう。

●現代人は神経過敏…
人間は心がストレスで揺さぶられると、その影響は神経を介して各臓器に伝わる事は、私たちの日常でもしばし経験する事ですが、しかし考えてみるとストレスをよく感じると言うのは、言い換えると社会的適応性が狭い状態とも言えます。世間が悪いのではなく、自分の適応性が低いがためにカリカリする必要のない事に苛立ち、気にする必要のない些細なことにも過敏になる。そしてその都度、神経を異常興奮させ体に悪影響を及ぼしている。このような事は私たちは日常的に経験している事です。

つまり刺激に惑わされず揺さぶられない「心」と「観念」を保持していれば、ストレスは大分和らぐ事を意味します。精神の訓練を「悟り」ではなく、ストレスに対する心の統御法だと考えれば、健康面で大いに意味あるものだと言えます。これをメンタルトレーニングと言わず、精神修養と言ったのは生活全般を通して行う訓練だからでしょうね。


瞑想

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